雇用保険の仕組みを理解しよう(雇用保険の制度を理解しよう編)
雇用保険制度とは何なの?
雇用保険制度は、労働者の安定した職業生活の実現などを目的とした制度です。万が一、失業をした場合に賃金に代わって給付が行われます。政府(厚生労働省)が保険者として運営し、ハローワークが窓口になっています。ハローワークで職業訓練を受けることもできます。
失業中に最も重要な社会保障制度なのでしっかりと把握しましょう。
被保険者には種類が複数あります。
事業主は、労働者を1人でも雇っていれば、雇用保険の加入手続きが必要です。労働者は、在職中は被保険者となり保険料を給料から天引きされます。
この被保険者は、年齢や契約期間の違いによって種類が分かれており、それぞれ受給できる内容などが異なります。
被保険者の種類
1. 一般被保険者・・・正社員・契約社員、派遣社員、パートタイマーなど
2. 高年齢継続被保険者・・・退職する時点で65歳を超えている人
3. 短期雇用特例被保険者・・・季節的に雇用される人など
4. 日雇労働被保険者・・・日雇労働者のうち一定の要件を満たしている人
に分かれています。
被保険者になるには、原則として労働時間が週20時間以上で、かつ、雇用見込みが31日以上の者である必要があります。
雇用保険被保険者証はなくしてはいけません!
あなたが雇用保険に加入していたことを証明するものは、『雇用保険被保険証』です。
雇用保険被保険証は、就職して会社がハローワークへ被保険者として資格の習得手続きを行った際に発行されます。
よって、就職して1~2ヶ月したら会社の人事担当者や総務担当者からあなた自身へ雇用保険被保険証が手渡されるはずです。その際、絶対に雇用保険被保険証をなくしてはなりません。
一旦発行された雇用保険被保険番号は、暇で楽な会社へ転職・再就職しても変わりません。雇用保険被保険証をなくしてしまうと、失業給付が受けられなくなるなど、不利益を被る可能性が高くなるため大切に保管してください。
万が一、なくしてしまった場合は、在職中であれば会社に再発行の手続きをしてもらいましょう。
※会社によっては、入社時雇用保険の手続きを行った後に、会社で保管している場合があります。手元に雇用保険被保険者証がない場合は、会社が保管していることも考えられますので、雇用保険担当者へ確認をしてみましょう。
雇用保険の給付内容って何があるの?
雇用保険といっても様々な種類の給付があります。それぞれ受給できる人や金額が異なりますので、あなたの条件に適合するものを探してみてください。
1. 求職者給付
求職者給付とは、雇用保険の被保険者の方が、定年、倒産、離職した際に、失業中の生活の心配をしないで、新しい仕事を探し、1日でも早く転職・再就職をしていただくために支給されるものです。
一般被保険者が受けるものを「基本手当」。
高年齢継続被保険者が受けるものを「高年齢求職者給付」。
といいます。
2. 就職促進給付
基本手当を満額もらう前に転職・再就職できた場合は、「再就職手当」などの「就業促進手当」を受けられることがあります。その他、求職活動を支援するための「移転費」などもあります。
3. 教育訓練給付
教育訓練給付とは、一定の要件に該当する一般被保険者であった方が、ハローワークなどを通じた教育訓練の受講を終了したときに、受講のために支払った費用のうち受講料等の最高20%(上限10万円)が支給されるものです。
4. 雇用継続給付
雇用継続給付とは、育児や介護などの過程の事情を抱える人が、失業することなく職業生活を維持するために支給されるものです。
次の3つがあります。
① 高年齢雇用継続給付
高年齢雇用継続給付とは、雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の一般被保険者が、原則として60歳以降の賃金が60歳時点に比べて、75%未満に低下した状態で働き続ける場合に支給されるものです。
② 育児休業給付
育児休業給付とは、一般被保険者が1歳又は1歳2ヶ月未満の子を養育するために育児休業を習得した場合に、休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数11日以上ある月が12ヶ月以上あれば、その育児休業中に指定額が支給されるというものです。
③ 介護休業給付
介護休業給付とは、家族を介護するために休業をした場合に介護休業開始日前2年前に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上ある方が支給の対象になります。
その介護休業中に、通算93日間を限度として、賃金の40%相当額が支給されるというものです。