職場にはびこる「大人いじめ」のかわし方

職場の大人いじめは「見て見ぬふり」がベストなの？

今も昔も、離職理由のダントツナンバーワンである「職場の人間関係」。

「派閥の上司が閑職に飛ばされて、自分もこれから先きちんと評価される気がしない」

「おしゃべりなパートさんたちと休み時間ずっと一緒なのがうっとおしい！」

「同僚に告白されて、断ったらとても気まずい状況になった」

「指導役になった新人の仕事覚えが悪すぎて、こっちの胃が痛くなる」

などなど、職場の人間関係につまづく理由はさまざまありますが、なかでも辛いのが職場での「大人いじめ」。

アットホームな雰囲気の円満な人間関係ばかり、という職場にお勤めの方には想像もできないほど陰湿な「いじめ」が、大人しかいないはずの職場で起こることもあります。

参考：知らないでは済まされない！職場におけるハラスメントの実態

職場にはびこる「大人いじめ」のかわし方

自分自身が大人いじめにあっているわけじゃないけれど…

「今までいじめなんか起ったことない円満な職場だったのに、特別相性の悪いAさんとBさんが同じ部署になってから、雰囲気が悪くなってしまったなあ」という「お互い様」のような状況であれば、見て見ぬふりをしてそっと距離をおく、という手が使えます。

ですが、そうはいかないのが「職場ぐるみで一人を集中的にいじめる、まるで小・中学時代にあったような子どもじみたいじめ」の場合。

自分としては、「いじめ」に加担するようなことはしたくない。できれば、職場のいじめなんてなくなってほしい。でもそのためにいじめられている人を直接かばったり、上司に進言したりして、自分に火の粉が掛かってくるのはやっぱり怖い…。勇気を出してなにか行動を起こしたとしても、そのせいでよけいにいじめがひどくなるようなことがあったらどうしよう…。

年齢や立場に関係なく、「職場の人間関係に口をはさむ」という行為には抵抗を感じて当たり前です。

こんなあなたのために、「いじめなんかやめよう」という「直接的」な行動ではなく、「間接的に」いじめをやめる方向にもっていく方法をご紹介します。

参考：パワハラに対する疑問点を解決しよう

大人いじめを「間接的に」やめさせるためには順序が大切

1. まずは自分の職場におけるポジションを確認する

まったく同じことを言われても、相手によって好意的に感じることもあれば、イヤな気持ちになることもあるのがコミュニケーションの難しいところ。

「大人いじめ」をとめるときも、自分に火の粉がかかってくる・よけいにいじめがひどくなるという悪い状況に事態が進んでいくのを避けるためには、まず自分のポジションを確認しておくことが大切です。

【いじめの有無にかかわらず、あなた自身が職場に「必要」とされているか】

次のような条件に2つ程度は当てはまるなら、ひとまず安心と言ってもいいでしょう。

□「営業成績優秀」「職場に必要不可欠な資格持ち」など、仕事上で重要なポジションにつけている

□自分を信頼・評価してくれている上司や先輩社員がいる

□いじめをしている社員よりも社歴・部署歴が上

□休憩時間に一緒にほかの社員と常に食事をとる必要がない

□裁量の幅が広い仕事で、「今日何の仕事をするか」を自分で決められる

□いじめをしている社員とは仕事の連携はあまりない

2.「大人いじめ」をしている人たちの動向を探り、それとなく伝える

いじめる側が「こっそりいじめをやっているつもり」なのか、「そもそもいじめをしているつもりはない」のかで、次のステップの選択肢が変わってきます。

大人いじめをしている人たちの様子や言動などから「こっそりいじめをやっているつもり」なのか、「指導や教育の一環」として行っているのかを見極め、大人いじめを間接的にやめさせましょう。

【こっそり大人いじめをやっている人たちへの対応】

いじめる側としても、どこかで後ろめたさを感じていたり、「いじめをする人間だと思われたくない」という都合の良い考えを持っていたりするものです。

その場合、同じ職場に在籍している人に「気づかれているかもしれない」と思わせるだけでも抑止力があります。

ただし、ストレートに「いじめはやめたほうがいい」という言い方をしてしまうと、「そんなつもりじゃない」と逆切れされてしまう可能性があります。あくまでも、「あなたももちろん、いじめなんてする人間じゃないよね？」という流れで話をしましょう。「いじめに気付いているのかも？」くらいにとどめておくイメージです。

▼切り出し方の例

「最近、景気がいいらしいね～。友達に人事課で働いている人がいるんだけど、いくら求人だしても人が来ないから、応募条件をだいぶ下げて募集しているらしいよ。ウチも忙しいよね～こんな状況で、誰か辞めるとなったら次の人もなかなか来ないかもしれないから、そんな面倒くさいことにならなきゃいいんだけど。」

【そもそもいじめをしているつもりがない人たちへの対応】

「仕事の覚えが悪いから、覚えてもらおうと思って熱い指導をしてしまった…」

「職場は遊ぶところじゃないのだから、しっかりとやってもらわないと困る！」

など、「いじめているつもりはなかった」というケースも珍しくありません。

そんな場合は、あくまで世間話として、「そういえば思い当たることがなくもない」と気付いてもらいましょう。

▼切り出し方の例

「大学時代の同級生に聞いたんだけど、最近ハラスメントとかうるさくなっているでしょ。ちょっとしたことでも訴えるとか、録音されて訴訟されるとか、そんなのが増えているらしいよ～。いやな世の中だけど、疑いかけられたり、巻き込まれたりしないためにはイヤな相手にもそれなりに対応しとかないと自分が面倒くさいことになりかねないよね～。逆恨みしそうな人や逆切れしそうな人、ウチの職場にもいるかもしれないから気を付けとかないと！」

もし、自分が「大人いじめ」の被害者になってしまったときは…

いじめに正当な理由はありません。だからこそ、どんな人でも、「大人いじめ」に巻き込まれる可能性があります。

最後に、これから先、自分が被害者になってしまったときの対処法をご紹介します。

▼「なぜ自分が」とは考えない

優しい人ほど、「何か自分にも原因があったのだろうか」と考えてしまうものです。

しかし、いじめの原因はあなたにはありません。だからこそ、「いじめ」なのですから。

▼いじめてくる人から距離を取る

いじめてくる人というのは、どんなに頑張ろうと、どんなにいいことをしようと揚げ足をとってきます。

気を使って職場にお菓子を持って行ったとしても「センスが悪い」と言いだす人だっているくらいです。

このようにいじめてくる人というのは、出来事すべてをネガティブにしか見ることができないので、あなたが努力したところで改善できるものではありません。

「じゃあどうすればいいの？」

【距離をとる】

ことです。

▼記録をつける

いじめは、れっきとした犯罪行為。それを相手に認識させることで、反撃することができます。

「罪」として訴えるためには、証拠が必要です。「アレ？おかしいな？」ということがあったら、すぐに記録をつけるようにしましょう。

▼職場の上司や先輩、同僚などへ早めに相談する

あなた自身がいじめだと感じたならば、信頼できる職場の上司や先輩、同僚などへ早めに相談することが大切です。

相談をすることにより、良いアドバイスを聞くことができたり、直接注意をしてもらうことができたりします。

▼法的な手段も利用できることを伝える

「この程度で、そんなことするわけない」と都合よく考えているのがいじめる側。

どうしても我慢出来ないときは、「これ以上エスカレートするなら、しかるべきところに相談し対処します」と毅然と伝えることも大切です。

参考：パワハラ被害度をチェックしてみよう

　　　学生時代より辛い･･･職場での嫌がらせの対処法

　　　パワハラを受けたときの解決法

　　　相談機関を利用してブラック企業の劣悪な職場環境に立ち向かおう

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